ゴム製品の基礎知識

加硫かりゅう

私たちの生活の身近にあるほとんどのゴム製品は、天然ゴムに用途に応じた配合剤が添加されています。配合物には温泉地で独特の臭気を放つ、あの黄色い結晶の硫黄も含まれます。天然ゴムと硫黄以外の配合剤との混練りを経て成形したゴム製品に熱を加えます。加熱による化学反応で、ゴムの加硫かりゅうと言います。一度加硫かりゅうしたゴム製品は、もとの天然ゴムの状態に戻ることはありません。

再生ゴムとは

加硫ゴムは、再び流体化することはありません。よって、ゴムの再生はチップ化・粉末化したものが原料となります。多くの再生ゴムは古タイヤが利用されています。古タイヤには若干の結合強度が保持されているためです。粉砕した加硫ゴムに再生剤を添加して加熱・加圧するなどして再び成形します。再生ゴムは大型のゴム製品で利用されています。家畜用マットも再生ゴムの代表的な製品のひとつです。

タイヤ原料を利用した非再生ゴム

フーバーテクニック社では加硫されていない新品タイヤ原料(90%以上未加硫)を溶融した原料を成形して製造されます。よって、フーバーテクニックのマットレスは非再生ゴムであり、加硫工程は当工場で行われています。また、タイヤ原料には老化防止剤などの耐久性を高めるために有効な補強剤が含まれています。

この補強剤は安い天然ゴムの製品には含まれていないケースが多く、光や空気(オゾン)による劣化を早める原因となります。ただし、配合剤は多ければいいとは言えません。配合剤の調合割合の指標となるのが重量です。純ゴムの比重は1.0以下ですが、カーボンなどの配合剤が多いと1.2~1.8までに比重が上がります。よって、重量が重いゴム製品は、生産コストを安くするための配合剤の割合を多くしているということになります。配合剤が多く含まれるゴム製品は、弾力性と耐久性に劣ります。ちなみに、タイヤの比重は、純ゴムと同じ1.0以下です。

ゴムの強度

ゴム製品の機械的強度は、引き裂き強度、耐摩耗性、耐荷重、反発弾性、引張り強さ、切断時伸び等の性能試験によって示されます。これらのスペックを比較すると、再生ゴムは純ゴムを使用した製品より明らかに劣ります。

合成繊維は必要か?

再生ゴムに比べ新品ゴムの場合は、製品を分厚してしまうと、弾力性、熱に対する変形など、せっかくの新品ゴムの優位性が劣ってしまいます。極圧のゴム製品に再生ゴムが利用されるのはそのためです。それを補うために、ポリアミド、ポリエステルなどの合成繊維による強化加工を施します。合成繊維の利用より、伸びにくい状態となり、分厚くても引き裂き強度に強い牛床マットが完成します。

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