牛のコブの原因
下の写真のように、牛が頸部に外傷を負っている状況を目にします。多くの場合、牛床ストールのネックレールを背負ってしまい、外傷を受けた可能性を想像します。
しかし、頚部を痛める可能性は、給餌エリアにも潜んでいます。その原因は飼槽のネックレールです。
理想的な飼槽設計
ネックレールの適切な設計は、高さ=牛の立つ床面から48インチ(1220mm)、腰壁から飼槽側前方に8インチ(200mm)
とされています。( Free Stall Dimensions,Neil Anderson,2007)
ネックレールの高さがこれよりも低い場合、または前方に設置されていない場合には、牛が頚部に外傷を負うケースが高まります。もちろん、ネックレールは高すぎても問題があります。牛が用意に脱走してしまうからです。
牛が滑りやすい給餌通路に出て、股裂きによる股関節脱臼でやむなく廃用を申請する最悪の事態を招きかねません。
では、適切なネックレールの設計がなされていれば外傷の心配はないのでしょうか?その答えはNO です。この推奨寸法の定義は、あくまでも平均的な牛の体格に合わせたもので、小さい牛は脱走の危険性が高まりますし、逆に大きい牛は痛い思いをせざるを得ません。ほとんどの飼槽は、掃除が容易で建築がシンプルなスィープイン飼槽(平らな飼槽)です。
掃除しやすい分、牛が餌を散らかしやすいといえます。ここで重要になる作業が、餌押し作業です。餌押しが十分でない場合、牛は遠く離れた餌に顔を伸ばします。この行為により、いくらネックレールが適正とはいえ、牛が頚部に外傷を負う可能性や不慮の脱走の可能性は高まります。餌押し作業は、単に採食量を向上されるためだけではなく、牛の快適性と安全性にも影響するといえます。
とはいっても、1 日12 回の餌押しが必要と唱える有識者もおります。いくら簡単な作業とはいえ、時間の束縛を考えると合理的とはいえません。
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